プロサッカークラブ「ベガルタ仙台」様より、足こぎ車いす「COGY(コギー)」1台を贈呈していただきました!
令和5年4月26日、仙台を拠点とするプロサッカークラブ「ベガルタ仙台」様より、足こぎ車いす「COGY(コギー)」1台を贈呈していただきました。
これは「ベガルタ仙台」が、本拠地とするユアテックスタジアムで勝利すると、株式会社TESSより「COGY」がホームゲーム勝利賞として贈られ、これを後日県内の福祉施設に贈呈するというホームタウン活動の一環です。
以前申し込んでいたら当選して実現したというわけです。うれしい!ありがとうございました。
今回はこの贈呈式とその後についてレポートします。
感謝の気持ちを伝えたい!
贈呈式の3週間前、ベガルタとTESSの皆さんを歓迎する方法はないかと検討が始まりました。
利用者さんに参加していただく方法として、飾り付けを担当してもらうことに決定。塗り絵が大好きなYさんには看板タイトルの大文字をカラフルに塗り上げていただく、手先の器用なTさんは折り紙で輪飾りを作る、当日参加できないT君はお手紙を書くなど分担しました。
「ベガルタ仙台のクラブカラーは何でしたがね?」
「輪飾り作りをコツコツやって1mも出来た!」
ワイワイ楽しく準備が進んでいきました。
富田元選手のことをもっと知りたい
贈呈式には元選手の富田晋伍さんも来ていただけるということで、ワクワクが動き出しました。富田さんは昨年まで選手として活躍され、今年からクラブコミュニケーターとして、クラブと地域活動の橋渡し役として活動しておられます。
利用者の皆さんと、富田さんの躍動するゴールシーンや引退会見で涙する姿など、YouTube動画を鑑賞しました。
「おお〜カッコいい!」
「すごいね」
そんな声を出したり、しんみり見入ったり、富田元選手を身近に感じました。
「みなさん!いよいよご本人がやって来られますよ〜」
職員も盛り上げます。式が待ち遠しい!3週間かけた飾りつけも完了しました。
いざ当日、式が始まるのに代表あいさつ役がお昼寝中⁉
ベガルタとTESSの方々が次々と到着してきます。名刺のやり取りがあちこちで始まります。
「あれ、Oさんは?」
「もしかしてまだお休み中?」
ということで、私はベッドサイドに急行。声をおかけすると、ゆっくり挨拶モードになりました。
そしてあいさつ本番、利用者さま代表として、富田元選手を前に見事なお礼のご挨拶をされました。Oさんは、現役時代は各種団体の理事長を歴任し、町会議員も長年された地元の名士。感動的でした。さすがです。
式が終わると、Oさんも富田元選手と記念撮影をしてもらいました。
乗ったら、こげた、動いた
「誰か後ろから押してるんですか⁉」
贈呈式で試乗を求められた当デイ管理者の驚きのひと言です。
そう錯覚するぐらい軽やかなんです!
軽い力で足が動くメカニズムを次の3つのポイントで紹介しています。(「COGY」ホームページ)
- わずかな力をかけるだけで、ペダルが前に出る
- この動きが原始的歩行中枢を刺激する
- もう片方の足が反射的に動く
つまり、片方の足でもわずかに動かすことができれば、自分の意思で移動できちゃうんです!
文字盤で、「こ・れ・ほ・し・い」
Mさんは週2回、機能訓練目的で通所しています。全身性の障害があり、歩行は困難です。そんなMさんがこの「COGY」を最も楽しみにしていたひとりです。
いつもの機能訓練の後、試乗してみました。そしたら、進む進む!スイスイ進むではあ~りませんか!
はじめてのことなので、職員はあわてて後を追いブレーキサポートをしました。そしてその後、毎回利用のたびに試乗を続けました。
そして4回目のとき職員はポールのようなものを数本立て、そこをジグザグ走行してみませんか?提案。すると、見事にジグザグ走行をしています。そして最後に、「こ・れ・ほ・し・い」と文字盤で伝えてくれました。
これ持っていく!公園で乗ってみたいから
もうひとり「COGY」が待ち遠しかった人がいます。Tさんは自転車が苦手です。まだ乗ったことがありません。それでも「COGY」なら転倒の恐れもなく、スイスイ動けるのではないかとスタッフが勧めていたからです。
駐車場での試乗を2〜3回繰り返した後、しばらくして公園への外出プログラムがありました。その時に「これを持って行く」と大主張。予期せぬ主張に職員は戸惑いました。「COGY」を持っていくには車をもう1台出さなければならず、それはまたの機会にしてほしいと思いつつ、Tさんの大主張に屈し、2台で行くことにしました。
そしてTさんは公園でずっと「COGY」に乗り続けていました。明るい太陽のもと楽しそうにニコニコと、まるで自転車に初めて乗れた人のように輝いていました。
宮城県全35市町村で「ホームタウン活動」
ベガルタ仙台様は、震災後ずっとスポーツを通じての復興支援活動を続けてこられました。
そして昨年、地域との関係をより密接にし、宮城県をさらに盛り上げるため、従来の仙台市に加え新たに宮城県内の全35市町村をホームタウンとしました。これは大変な覚悟が要る決断だったと思います。
現在、次の3本柱で「ホームタウン活動」を展開しています。
- スポーツ振興
- 地域連携
- 防災・減災
足こぎ車椅子「COGY」の贈呈は②地域連携の一環で実現されたものです。
株式会社ベガルタ仙台様、株式会社TESS様、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
記事監修
デイホーム土屋たいわ(宮城県黒川郡大和町)
生活相談員 増子大介
サービス管理責任者/介護福祉士