三つの「活きる」が、ひとつの場所に。
~ 高齢者も、障がいのある方も、子どもたちも。デイホーム土屋たいわの共生型ケア ~
デイホーム土屋の現場には、日々、クライアント(=利用者)やご家族から、利用への感謝や安心のお声が届いています。
そんな声の背景には、一人ひとりの暮らしや思いに向き合いながら、現場で積み重ねてきたケアがあります。
この企画では、クライアント・ご家族から届いた声をもとに、デイホーム土屋の現場で育まれたケアを、管理者へのインタビューを通してご紹介します。
聞き手は、高齢福祉事業部 副部長・小川力信です。
各事業所の管理者と対話を重ねながら、クライアントやご家族との関わり、現場で生まれた工夫、そして地域の中で大切にしていることなどをご紹介していきます。
第1回は、デイホーム土屋たいわ 管理者・佐藤誠之さんです。
デイホーム土屋たいわでは、介護保険サービス、生活介護、放課後等デイサービスという三つのサービスを通して、高齢者、障がいのある方、子どもたちが同じ場所でそれぞれの時間を過ごしています。
年齢も、必要とする支援も違う。
だからこそ、一人ひとりを知り、その時々の様子を見ながら、関わり方を考えていく。
佐藤さんのお話から見えてきたのは、共生型だからこそ生まれる日常と、そこからご家族へ届いている安心でした。
そしてインタビューの最後、佐藤さんは、たいわが大切にしているものを「三つの活きる」という言葉で表現しました。
今回は、三つのサービスで生まれたエピソードを通して、デイホーム土屋たいわが支える「活きる」をたどります。
聞き手:高齢福祉事業部 副部長 小川力信
話し手:デイホーム土屋たいわ 管理者 佐藤誠之
第1章 世代を超えて生まれる、穏やかな時間
~共生型だからこそ生まれる関わり~

小川
たいわは共生型ということで、高齢者だけではなく、障がいのある方や子どもたちも一緒に過ごしていますよね。
実際に伺った時も、本当にいろいろな方がいらっしゃいました。
その中で、まず介護保険サービスについて印象に残っていることを教えていただけますか。
佐藤
そうですね。
たいわでは、認知症のある方や若年性認知症の方にもご利用いただいています。
一人ひとり状態も違いますし、その方に合った関わり方も本当にさまざまです。
特に若年性認知症のある方の場合は活動量も多く、ご自宅で支えているご家族の負担が大きくなることもあります。
たいわで過ごしていただく時間が、ご本人だけではなく、ご家族の負担を少し軽くすることにもつながっていると感じています。
小川
僕も実際に見させてもらいましたが、一人ひとりへの関わり方が本当に違いますよね。
丁寧な言葉で接する方もいれば、少し言葉を崩した方が安心してくださる方もいる。
あの距離感は、最初から皆さんできるものなんですか。
佐藤
経験の違いはありますが、実際に共生型の現場でいろいろな方と関わりながら、少しずつ身につけていくアテンダント(=介護職員)が多いと思います。
一人ひとりを見ながら、
「この方には、どんな関わり方がいいんだろう。」
と考えていくんです。
小川
共生型だからこそ生まれる関わりもありますか。
佐藤
ありますね。
例えば、認知症のある方が、「家に帰りたい。」とおっしゃることがあります。
そんな時、放課後等デイサービスを利用している子どもたちと関わっているうちに、いつの間にかその気持ちが落ち着いていることがあるんです。
何か特別なことをしているわけではありません。
同じ場所に子どもたちがいて、自然に関わりが生まれる。
そういうところは、共生型の良さだと思っています。
小川
それは、たいわならではですね。
佐藤
そうですね。
高齢者だから、障がいがあるから、子どもだからと分けるのではなく、同じ場所で過ごしているからこそ生まれるものがあると思っています。
年齢も、必要とする支援も違う人たちが、ともに過ごすデイホーム土屋たいわ。
そこで生まれる何気ない交流が、誰かの心を穏やかにすることがあります。
子どもたちとの自然な関わりによって、「家に帰りたい」という気持ちがいつの間にか落ち着いていたことも、その一つでした。
支える側、支えられる側と分けるのではなく、自然に関わり合う。
そんな共生型ならではの日常が、ここにはありました。
第2章 「難しい」で終わらせない
~ 一人ひとりを知ることから始まる支援 ~

小川
二つ目は、生活介護について聞かせてください。
佐藤
たいわの生活介護では、さまざまな障がいのある方にご利用いただいています。
その中には、ご本人に合った受け入れ先を見つけることが難しかった方もいらっしゃいます。
そういう方に利用していただけることについて、ご家族から感謝のお言葉をいただくことがあります。
小川
佐藤さんは「最後の砦のようになっている方もいる」とおっしゃっていましたね。
佐藤
そうですね。
たいわの周辺では、障がいのある方が利用できるサービスの選択肢が多くないと感じています。
たいわでは、少し離れた地域から通われている方もいらっしゃいます。
一人ひとりの状況を見ながら、できる限り対応していきたいという思いがあります。
小川
長く関わっている方もいらっしゃるんですよね。
佐藤
はい。長く利用してくださっている方もいます。
その方のことを長く知っているからこそ分かることもありますが、ずっと同じ支援を続ければいいわけではありません。
体調や気候、ご家庭での状況などによって、その日の様子は変わります。
たいわでは月に一度、個別支援について話し合う機会を設けています。
「今、どんな様子なのか。」
「どんな関わり方がいいのか。」
「チームとして、どのように支援していくのか。」
をみんなで確認しています。
小川
一度決めた支援を、そのまま続けるわけではないんですね。
佐藤
そうですね。
大きな変化があれば、月一回の話し合いを待たず、相談員にもお伝えします。
朝のミーティングでも、
「今日はどうしようか。」
「こんな関わり方を試してみようか。」
と話しています。
その時のご本人の様子に合わせて、みんなで考えながら対応しています。
小川
たいわでさまざまな方を支えている背景には、そういう日々の話し合いや工夫があるんですね。
佐藤
はい。
もちろん、簡単なことばかりではありません。
今もみんなで悩みながらやっています。
でも、一人ひとりに合わせて、
「どうしたらいいだろう。」
と考えていくことが大切だと思っています。
「受け入れる」ということは、ただその場所に迎え入れることだけではありません。
その人を知り、日々の変化を見つめ、必要に応じて支援を考え直していく。
そうした日々の積み重ねが、ご本人が安心して過ごせる時間と、ご家族の安心につながっていました。
第3章 「去年より、いいたいわになっていますね。」
~「やってみたい」を、子どもたちの経験に~

小川
三つ目は、放課後等デイサービスですね。
佐藤
はい。
今年は、放課後等デイサービスで外へ出る活動を増やしています。
夏休みには博物館へ出かけたり、商業施設へ出かけてお菓子を楽しんだりしました。
以前は事業所の中で行う活動が中心でしたが、
「子どもたちに、もっといろいろな経験をしてもらいたい。」
というアテンダントの思いもあって、少しずつ活動の幅を広げています。
小川
博物館への外出は、どのように進めていったのでしょうか。
佐藤
それぞれ必要なサポートが異なる子どもたちと一緒に出かけました。
もちろん、安全面に配慮しながら計画しています。
実際にみんなで外へ出て活動できたことは、とても良い経験になったと思います。
小川
そもそも、こうした外出活動はどのように始まったのでしょうか。
佐藤
たいわでは、アテンダントに、
「やりたいことがあったら、どんどん相談してほしい。」
と伝えています。
今回も、保育士の資格を持つアテンダントから提案がありました。
もちろん、実現するうえで必要なことを確認し、できることであれば、私はできるだけ
「やってみよう。」と言いたいと思っています。
小川
アテンダントの「やってみたい」が、子どもたちの新しい経験につながっているんですね。
そうした変化について、ご家族から何かお声をいただくこともありますか。
佐藤
そうですね。
定期的に行っているご家族との面談で、
「去年よりいいデイホーム土屋たいわになっていて、本当にありがたいです。」
というお言葉をいただきました。
子どもたちがいろいろな経験をできるようになったことを、喜んでいただけているのかなと思います。
子どもたちに、どんな時間を過ごしてほしいのか。
どんな経験につなげられるのか。
「こんなことをしてみたい。」
アテンダントから生まれたその思いを、どうすれば無理なく実現できるのか考える。
そうして一つずつ増えていった新しい経験。
その変化は、ご家族にも届いていました。
第4章 三つの「活きる」を支える場所
~地域の中で、これからも~

小川
最後に、佐藤さんが思い描いている「これからのたいわ」について聞かせていただけますか。
佐藤
これからも、介護保険サービス、生活介護、放課後等デイサービスの三つを大切にしながら、一人ひとりのニーズにできる限り応えていける事業所でありたいと思っています。
たいわは、本当に自然に囲まれた場所にあります。
一人ひとりが安心して過ごせるアットホームな場所をつくりながら、地域に根付き、地域の皆さんにも愛される事業所でありたいですね。
小川
今日のお話を聞いていると、まさに共生型だからこそできることがたくさんありますね。
佐藤
そうですね。
それと、最後に一つ、今日お話ししていて改めて思ったことがあります。
たいわがやっている三つのサービスには、それぞれ違う「活きる」があると思うんです。
小川
三つの「活きる」ですか。
佐藤
はい。
高齢の方にとっては、これからの日々を最後まで「活きる」。
生活介護を利用される方にとっては、これから生活していくための力につなげていく「活きる」。
そして、放課後等デイサービスを利用する子どもたちにとっては、これから成長していく大切な時期を「活きる」。
年齢も、必要な支援も違います。
でも、その人が「活きる」ことを支えるというところでは、三つのサービスに共通するものがあると思っています。
高齢者も、障がいのある方も、子どもたちも。
年齢も、必要とする支援も違います。
それでも、一人ひとりと向き合い、その人らしい時間を支えていくという思いは変わりません。
三つのサービス、それぞれにある「活きる」。
クライアントやご家族から届いた声の先には、その一つひとつを大切に支え続ける、デイホーム土屋たいわの日々がありました。
佐藤さんが管理者を務める「デイホーム土屋 たいわ」については、以下よりご覧いただけます。
デイホーム土屋の取り組みについては、こちらをご覧ください。

