デイサービスは、高齢や認知症を理由に介護が必要と判断されていながらも、自宅での生活を続けている方が利用する通所型介護サービスです。
デイサービスはクライアントに日中の楽しい時間と必要に応じた介助サービスを提供すると同時に、クライアントの認知機能身体機能を維持するという目的をもっています。
クライアントが今後も出来る限り住み慣れた地域や自宅で過ごし続けられるようにサポートしていく上で、デイサービスの脳トレは欠かすことのできない時間です。
今回はどうしてデイサービスの脳トレが必要なのか、そしてマンネリ化しがちな脳トレのアイディアの見つけ方をご紹介します。
デイサービスの脳トレは、認知症予防に有効
高齢者の認知症予防や認知症症状の進行を遅らせる上で、デイサービスの脳トレはとても重要なことが分かっています。
なぜデイサービスの脳トレが認知症への対策として有効なのかについては、以下の3つの理由に基づきます。
デイサービスの脳トレは、脳の血流維持に効果あり!
クライアントはデイサービスに来所して行動する中で、普段の自宅以上に身体を動かすことになります。
脳トレのプログラムによっては手足や全身を動かす必要があるので、息を大きく吸うことになり、身体に酸素が取り込まれて血流改善の効果が期待できます。
身体を動かして大きく息を吸った結果、血流が刺激されると、脳への血流も刺激を受け、脳の健康を維持するための酸素や栄養素が十分に脳へと届けられることになるのです。
脳の血の巡りをしっかりと整えることは、動脈硬化や脳卒中の予防にもつながりますので、要介護者にとって脳トレは必要不可欠といえます。
デイサービスの脳トレは、会話が生まれる!
デイサービスで行われる脳トレでは「発語」を必要とする内容が多くみられます。
要介護者は日頃地域社会やコミュニティから孤立した時間を過ごしている方も多いですが、会話や発語をおろそかにしていると、脳の健康に悪影響を与えてしまいます。
デイサービスの脳トレという社交的な活動に参加することで、新しいコミュニケーションが生まれ、脳に刺激が与えられることから、認知症予防に役立つと考えられています。
デイサービスの脳トレは、前頭葉に良い刺激!
人の脳は大きく前頭葉と側頭葉、頭頂葉、そして後頭葉の4部位に分けられますが、このうち記憶や感情をコントロールする部分が前頭葉です。
前頭葉が萎縮してしまうと認知症の発症や症状の進行につながってしまうため、デイサービスでの脳トレを通して定期的に前頭葉に刺激を与え続けることが重要です。
デイサービスで行う脳トレは「楽しい気持ち」が重要
先ほどご紹介したようにデイサービスで行う脳トレは、脳を様々な方向性から刺激して認知機能を維持する目的で行われます。
適度な運動や言葉、そして頭を使う内容を織り交ぜながら脳トレを行っていく訳ですが、一番大切なのはクライアントに楽しんでもらうことです。
「難しすぎてつらい」「こんなことやりたくない」というネガティブな気持ちは、心身にとって良いものではありません。
無理に「絶対に認知機能を活性化させよう!」とアテンダントが意気込むのではなく、状況やクライアントの様子に応じて「今日はゆるめの脳トレにしよう」「最近盛り上がっている脳トレがあるから、次回は脳トレの時間を長くしよう」などと、柔軟に調整しましょう。
デイサービスの脳トレがマンネリ化してきたら?
デイサービスの脳トレはとても重要なことが分かりましたが、やはり毎日脳トレをおこなっていると内容がマンネリ化してしまいがちです。
「脳トレが、漢字や計算問題のプリントばかりになっている」「クイズばかりで盛り上がらない」という場合は、どうすればいいのでしょうか。
マンネリ化してきたデイサービスの脳トレは「組み合わせる」
漢字クイズや計算問題がマンネリ化してきた時は、少し身体を動かす内容を加えてみると、さらに脳に刺激が与えられます。
例えば「解き終わったプリントで紙飛行機を作り、採点係がいる場所まで飛ばしてみましょう」や「計算問題の答えの数だけ、足踏みをしましょう」などです。
クライアントの体調や様子に応じて少し動きを組み合わせた内容にアレンジしていくことで、普段のプリント問題も楽しく取り組むことができるようになります。
マンネリ化してきたデイサービスの脳トレは「幼児教育をヒントに」
子ども向けの教育番組や保育園の先生が運営しているYouTubeチャンネルなどでは、季節感を上手に取り入れた歌やプログラムなどが紹介されています。
例えば「〇を使って夏の絵をホワイトボードに書いてみよう。みんなでそれは何か予想しよう」「この具材を使って作る冬の料理は何かな?」といった内容を少しアレンジしてみると、デイサービスの脳トレにも流用できますのでおすすめです。
デイサービスの脳トレがマンネリ化しないように「脳トレカレンダー」を作ろう
デイサービスで毎日の業務をこなす中で「やはり毎日の脳トレがマンネリ化している…」という場合は、脳トレカレンダーを作っておくと気持ちに余裕が生まれます。
理想は「365個のプログラムを考案しておいて、1年おきに取り組む」というスタイルですが、なかなか一度に365日分の内容を考えるのは難しいですよね。
その場合は施設の規模に応じて半年分や3ヵ月分のカレンダーを作成しておき、半年ごとや3ヵ月ごとのサイクルで脳トレに取り組みましょう。
デイサービスの脳トレは、クライアントもアテンダントも無理なく楽しもう
デイサービスで行う脳トレの重要性と、マンネリ化してきた時の対策法をご紹介させていただきました。
デイサービスの脳トレは、クライアントの認知機能の維持、そして今後も自宅で自立した生活を続けていただくためにはとても重要な時間ですが、内容に正解はありません。
正解がないからこそアテンダントも戸惑ってしまうことがありますが、あくまでデイサービスの脳トレを行う最大の目的は「クライアントに楽しんでいただくこと」です。
そのためにはアテンダントも一緒に楽しむことができるような、みんなが笑顔になれるような脳トレを行っていきましょう。
デイホーム土屋では、全ての人が笑顔になることができるデイサービスを目指して、全国に事業所を拡大しています。
介護職が未経験の方やブランクがある方でも大歓迎です。
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