超高齢化社会を迎えた日本では、介護サービスの需要が増加しています。
特に介護サービスの中でも今後さらなる需要の増加が見込まれるのが、デイサービスです。
デイサービスの開業は介護サービスの中でも比較的参入しやすいといわれていますが、開業後もビジネスとして成功させるためには、事前の準備が必要不可欠です。
今回は「介護業界での開業を考えている」という方や「デイサービスで開業する場合の準備を知りたい」という方に向けて、デイサービスの開業についてご紹介していきます。
なぜデイサービスの開業がおすすめなのか
デイサービスは通所型の介護サービスです。
デイサービスに通うクライアントは基本的に自宅での生活を続けており、日中の居場所としてデイサービスを利用します。
介護業界で開業を考えている方にはまずデイサービスがおすすめなのですが、その理由は以下の通りです。
地域包括ケアシステムによる需要の高まり
現在の日本では「地域包括ケアシステム」という仕組みを推進しています。
地域包括ケアシステムは、増加の一途を辿る要介護者ができるだけ長期間にわたって自宅での日常生活を継続するような体制を整えることで、入居型介護施設の待機者を減らそうという取り組みです。
地域包括ケアシステムによって、高齢者が可能な限り自宅での自立した日常生活を送ることが推奨されている時代だからこそ、高齢者の日中の居場所となるデイサービスは今後ますます需要が高まると予測されています。
比較的小規模な施設
デイサービスは通所型介護を提供しますので、宿泊施設や宿泊スペースは必要ありません。
そのため大型の建物は必要ありません。
また配置する人員も、利用者の数が14名以下の場合は法的な基準を満たす5名以上のスタッフが揃っていれば、デイサービスの事業所として開業することができます。
デイサービスを開業しようと思ったら「4つの計画」から始めよう
デイサービスを開業する前に、しっかりとしたプランニングが必要です。
デイサービスの開業にあたっては、以下の注意点に従って計画を立てていく必要があります。
デイサービスの開業に必要な計画①市場調査
デイサービスを開業する前には、必ず地域の市場調査を行いましょう。
「不足しているのは高齢者向けデイサービスなのか、認知症デイサービスなのか」「送迎可能地域内に高齢者は多いか」といったポイントをしっかり調査した上で、開業時期や地域、サービス内容などを決定しましょう。
また開業地域を決める上で、物件情報の調査も欠かせません。
デイサービスへの送迎や、入浴介助サービスを提供する場合、施設として利用する建物付近に十分な駐停車スペースがあるかどうか、また安全に入浴介助を行うことができるスペースはどうか、などを検討する必要があります。
デイサービスの開業に必要な計画②資金計画
比較的小規模な施設で開業することができるデイサービスですが、クライアントに安全に過ごしていただくためには、バリアフリー化などの先行投資が必要です。
またデイサービスは大半の利用料金が介護保険制度から支給されますので、開業してすぐに売上が現金として手元に入ってくるわけではありません。
開業後に従業員への給与延滞や手元の現金不足といったトラブルを起こさないよう、資金計画を綿密に作成しておく必要があります。
デイサービスの開業に必要な計画③事業計画
事業計画は、デイサービスを開業するための全体的な計画です。
サービスの内容や提供方法、人員配置、法的な問題などを考慮して作成する必要があります。
またデイサービスは訪問型介護サービスなどと比較すると、施設ごとの特色を打ち出しやすい介護サービスです。
例えばデイホーム土屋では「第二の自宅」というテーマを大切に、クライアントがゆっくりとくつろげるようなアットホームさを大切にしています。
どのような付加価値を提供することでクライアントから支持されるデイサービスになるのか、事業計画をしっかりと作りましょう。
デイサービスの開業に必要な計画④人材計画
デイサービスを提供するには、法的な基準を満たす人材を確保する必要があります。
定員14名以下のデイサービスとして開業する場合は、以下のスタッフが必要です。
- 施設管理者(資格不要)
- 生活相談員(要資格)
- 機能訓練指導員(要資格)
- 介護職員(資格不要)
- 看護職員(要資格)
人材確保はデイサービスを開業する中でも特に重要な計画です。
求人の計画は早めに取り掛かりましょう。
デイサービスの開業に必要な3つの準備
デイサービスの開業に必要な計画が決定した後は、いよいよ開業の準備です。
特にデイサービスは各都道府県自治体による通所介護事業者指定を受けない限り、開業することができませんので、丁寧に手続きを進める必要があります。
デイサービスの開業に必要な準備①法人の設立
デイサービスの開業に必要な通所介護事業者指定を受けるためには、法人格である必要があります。
そのため物件や人材の確保、設備の調達などの準備と並行して、法人を設立しておきましょう。
デイサービスの開業に必要な準備②資金調達
先ほどご紹介した通り、デイサービスは開業してすぐに現金の売上が立つ事業ではありません。
クライアントがデイサービスを利用した後に介護報酬が自治体から支給される形となりますので、当面の運転資金を調達しておきましょう。
デイサービスの開業に必要な準備③保険やリスクマネジメントの確認
デイサービスを開業する上では、必要な保険に必ず加入しておく必要があります。
送迎車の車両保険保険や公害責任保険、医療賠償責任保険、そして雇用保険などに必ず加入しておきましょう。
また対人サービスを提供している以上、思いがけないトラブルや人間関係のこじれが発生するリスクもあります。
利用規約や契約書の作成など、リスクマネジメントは徹底しておくべきといえます。
デイサービスの開業を成功させる秘訣は、計画と準備の徹底
デイサービスを開業し、運営していく上では、入念な計画と準備が必要不可欠です。
地域に根ざした介護サービスを提供するデイサービスだからこそ、開業にあたっては地域の状況を徹底的にリサーチし、その地域に必要とされているデイサービスを開業させましょう。