要支援クライアントがデイサービスで入浴できない理由とは?入浴介助を徹底解説。

年齢を重ねて身体機能に衰えがみられたり、認知症による物忘れの症状があらわれはじめると、日常生活の様々なことを自分で行うことが難しくなってきます。

その中でも代表的な日常生活の困りごとが「入浴」です。

デイサービスに代表される介護サービスでは「入浴支援」を利用することができますが、実は「要支援認定の方はデイサービスで入浴できない」ということをご存じでしょうか。

今回は要支援とデイサービスについてご紹介しながら、要支援と入浴の関係を詳しく解説してまいります。

目次

入浴介助の必要性

入浴は身体の汚れを落とすことによる感染症や皮膚疾患の予防につながるほか、心身をリフレッシュして前向きな気持ちになるために重要な行為です。

しかしながら入浴は、脱衣や立ち座りの繰り返しがあり、さらに滑りやすい環境での歩行など、高齢者や認知症患者にはハードルが非常に高い時間でもあります。

またご家族が同居されている場合でも、入浴介助は体力と入浴スペースの関係上、行うことができないという方も多くいらっしゃいます。

デイサービスの入浴介助

入浴に関してお悩みの方に対して、デイサービスで提供している介護サービスこそが「入浴介助」です。

デイサービスでは入浴介助に適した設計の入浴スペースを準備しています。

具体的には車椅子でも入りやすいバリアフリー設計、手すりの設置、すべりにくい材質の床などです。

また入浴の介助サービスにのみ特化した入浴特化型デイサービスなどでは、寝たままや座ったままの状態での入浴が可能な特殊浴槽や昇降機を備えている施設もあります。

このような環境で知識のあるスタッフが介助することにより、自力での入浴が難しい方に対してのサービスを提供しているのが、デイサービスの入浴介助です。

デイサービスで入浴介助を頼んだ際の料金

デイサービスは、介護保険制度に基づく通所型介護サービスです。

入浴介助はデイサービス基本料金と同じく、介護保険が適用となる介護サービスです。

1回あたりの入浴介助は40~55単位ですので、自己負担が1割のクライアントには原則として40円~55円が自己負担金として請求されることになります。

要支援のクライアントは、デイサービスで入浴できないの?

年齢を重ねるごと、そして認知症の症状が進行するごとに大変になる入浴ですが、基本的に要介護認定で「要支援」と認定されたクライアントは、デイサービスで入浴できないということになっています。

なぜ要支援のクライアントは、デイサービスで入浴できないということになっているのでしょうか。

要支援と要介護の違い

介護保険法では、要介護のレベルを非該当・要支援・要介護に分類しています。

それぞれの段階目安は、わかりやすくご紹介すると以下の通りです。

  • 非該当(自立)……歩行や起き上がりに問題がなく、薬の服用や電話の応対などの日常生活などに介助が必要ではない状態
  • 要支援……食事や排せつはほとんど自立した状態で、身の回りのことや複雑な動作も手助けがあれば行える状態
  • 要介護……認知機能の低下が見られ、排せつや入浴に見守りが必要な状態

このうち要支援の最高段階である「要支援2」と、要介護の最も低い段階の「要介護1」の見極めポイントは、「認知機能に大きな問題が出ているか」といいう点と、「今後すぐに状態が悪化しそうか」という点です。

特に認知機能の差は大きな判断基準です。

「物忘れが激しく、お金の管理が難しい」「理解力や判断力、記憶力に混乱がみられる」という段階になると、要介護と認定される可能性が上がります。

その他にも要介護の段階になる目安として、状態の悪化による介護量の変化予測も重要な判断基準です。

要支援では「サポートがあれば、介護量の増加は必要なさそう」という段階です。

一方の要介護段階になると「今後半年以内に症状が進行し、必要な介護量が増える可能性が高い」ということになります。

このように要支援と要介護には大きな差があるのです。

要支援のクライアントがデイサービスで入浴できない理由

そもそもデイサービスは、要介護の認定が下りた高齢者や認知症患者に対して介護サービスを提供するための施設です。

基本的に要支援のクライアントはデイサービスの利用条件に当てはまらないものの、自治体が管轄するデイサービス施設の一部において「予防通所介護」という名目で利用が特別に認められているという状態です。

そのため要支援のクライアントは、デイサービスで入浴できないことになるのです。

デイサービスで入浴できない要支援のクライアントはどうすればいい?

要支援を理由にデイサービスで入浴できないものの、例えば「浴槽がまたげない」や「背中を洗うことが難しい」というクライアントは、どうすればよいのでしょうか。

まず1つめの解決策としては、介護予防訪問入浴介護を利用するという方法があります。

介護予防訪問入浴介護は、自宅に簡易的な浴槽を積んだ訪問介護車と介護職員が訪問し、要支援のクライアントに対する入浴サービスを提供する予防介護サービスです。

通常の訪問介護では身体介護ができませんが、訪問入浴介護であれば要支援のクライアントに対して入浴支援が可能です。

また入浴以外にも認知機能や身体機能に衰えが感じられる場合は、ケアマネージャーに相談することで、区分変更という認定調査を依頼することもできます。

デイサービスで入浴できないという要支援クライアントからの相談を受けたら

デイサービスで勤務していると「どうしても入浴介助が必要だと感じている」という相談を、クライアントやご家族から受けることがあります。

理由をご紹介してきたように、基本的には要支援の区分認定の状態では、デイサービスでは入浴ができません。

日本全国でデイサービス施設を展開中のデイホーム土屋では、このようなご相談を受けた場合、クライアントやご家族への見学会や説明会の中で介護保険制度のシステムについて真摯にご案内しております。

必要に応じてケアマネージャーへのご相談や要介護認定への区分変更後に再度ご相談していただく形をとっています。

現在デイホーム土屋では、このようにクライアントに寄り添った対応をしたいと考えている方、一人ひとりのクライアントに丁寧に対応したいと考えていらっしゃる方からの転職相談をお待ちしております。

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