日常生活を送る上で介護のサポートを利用しながら、自宅で自立した生活を送ることを希望しているクライアントに人気の介護保険サービスが、デイサービスです。
デイサービスを利用することによって、平日の日中に自宅で孤立した時間を過ごすことや、家族が在宅介護に負担を感じることを防ぐことができるからです。
デイサービスの利用にあたっては、介護保険制度の被保険者として介護度認定で要介護1〜5の区分に該当することが条件となっていますが、年齢的な制約はあるのでしょうか。
今回の記事ではデイサービスの対象年齢について解説していきます。
自分にあったデイサービスや家族のためになるデイサービスをお探しの方は、どうぞ最後までご確認ください。
デイサービスに利用条件はあるの?
デイサービスは、住み慣れた自宅での生活を希望されているクライアントに対する身心機能の維持や社会参加を目的にした時間を提供しています。
家族による在宅介護を享受している場合は、家族の負担を軽減することによって今後もクライアントが地域社会のなかで暮し続けられるように環境を整えるという目的も含まれています。
独居や高齢者のみで暮している世帯のクライアント、もしくは日中は自宅に一人の状態が恒常化しているクライアントにとっては、孤立感を解消して地域とのつながりや他者とのコミュニケーションを取ることにより、気持ちが前向きになるとされています。
このような目的をもって提供されるデイサービスは、2000年に創設された介護保険制度に基づいて提供されています。
そのため介護保険の被保険者に該当しない場合、もしくは介護保険被保険者であっても要支援1もしくは2と認定されたクライアントは、デイサービスを利用することができません。
介護保険制度の被保険者とは
介護保険制度における被保険者は、第1号被保険者と第2号被保険者に区分されます。
デイサービスの対象年齢を確認する観点からも非常に重要なチェックポイントですので、詳しく確認していきましょう。
第1号被保険者
介護保険制度における第1号被保険者は、65歳以上の国民です。
実際に受給者としての要件を満たすためには、要介護認定の申請と介護度認定による要支援もしくは要介護の認定が必要ですが、65歳以上になると自動的に第1号被保険者として扱われます。
ちなみに第一号被保険者に該当することを意味する「介護保険被保険者証」は、65歳の誕生月の前月までに郵送で自宅に送られてきます。
「現時点では介護を必要としていない」「介護保険制度を利用するのはまだまだ先のこと」などと考え、この介護保険被保険者証を過って破棄してしまったり、紛失してしまうと、後々再発行の手続きが発生してしまいます。
介護保険被保険者証の原本が手元にないクライアントは要介護認定申請が行えなくなりますので、保管場所には十分注意しておきましょう。
家族に保管場所を共有しておくこともおすすめです。
また第一号被保険者の認定は、クライアント自身の死亡により失効します。
65歳の誕生日を迎えて以降は、死ぬまで第1号被保険者ですのでご安心ください。
第2号被保険者
第2号被保険者は、40 歳以上65歳未満であり、健保組合・全国健康保険協会・市町村国保などの医療保険に加入している方が該当します。
40歳になると自動的に資格が与えられ、また先ほどご紹介した通り65歳になると自動的に第1号被保険者への切り替えが行われます。
第2号被保険者の場合は基本的に介護保険サービスを利用することはできませんが、特定疾病(老化に起因すると認定された疾病)への罹患が確認された場合は、介護保険サービスの利用対象となります。
特定疾病とは
特定疾病は、以下のように老化が発症要因となっていることが認められた一部の疾病です。
この特定疾病への罹患が確認され、日常生活の中でサポートを必要としている40歳以上の方は、65歳未満であっても介護保険サービスを利用することが可能です。
- 末期がん(末期)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
デイサービスの対象年齢は、40歳以上で要介護認定にある方!?
ご紹介した通り、介護保険制度のなかで①65歳以上のクライアント、②40歳以上65歳未満かつ特定疾病に罹患しているクライアントは、介護保険サービスを利用することが可能です。
つまりデイサービスの対象年齢としては、40歳以上になってきます。
しかしながら通所するデイサービスによっては、対象年齢以外にもチェックしておくべき項目がいくつかあります。
デイサービスの対象年齢チェックポイント①他のクライアントの年齢
特に第2号被保険者の場合、周囲が高齢を理由にデイサービスを利用しているクライアントが大多数を占めていると、プライドが傷ついたり、デイサービスで行うプログラムの内容に満足できない可能性があります。
デイサービスは自宅に送迎車の派遣が可能な事業所の中から選択して通う必要がありますが、可能であれば利用希望のデイサービス事業所に赴き、提供されているサービスの内容が年齢的に適切であるか確認しておきましょう。
デイサービスの対象年齢チェックポイント②自身の困りごとに対応しているかどうか
デイサービスに通う目的は人それぞれですが、近年特に増加傾向にある認知症のクライアントは、認知症特化型デイに通所することによって、より専門的な介護サービスを利用することができます。
一方で身体機能の維持が一番の目的である方は、機能訓練特化型のデイサービスでしっかりと機能訓練に勤しむことがおすすめです。
通所するデイサービスを決める前に、自身や家族がデイサービスに通う目的を再度確認しておくとよいでしょう。
デイサービスの対象年齢は、介護保険の被保険者区分をチェック!
デイサービスを利用する上で把握しておきたい対象年齢についてご紹介いたしました。
介護保険制度では第1号被保険者と第2号被保険者に区分されており、特定の条件化では40歳以上65歳未満の方も介護サービスを利用可能です。
そのためデイサービスの対象年齢としては40歳以上という区分にはなりますが、デイサービスに通う上では対象年齢以上に、自身にあった環境を選ぶことが大切です。 デイサービスへの対象年齢および被保険者としての条件を満たしているクライアントの方やご家族の方で「デイサービスに通いたい」「まずは一度デイサービスについて知りたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にお近くのデイホーム土屋までお問い合わせください。