デイサービスで英語は活かせる?海外の介護施設への転職も可能?

日本における介護業界の平均給与は、アテンダントの働きに対してまだまだ十分であるとは言い難い状況です。

厚生労働省が2021年度に行った調査によると、一般労働者の平均月収は30.7万円であるのに対して、常勤介護職の平均月収は31.6万円とやや低くなっています。

2020年度の調査では平均月収30.9万円であったことを鑑みると徐々に処遇は改善されているように感じるものの、仕事内容に対して報酬が十分ではないと感じている方も多いのではないでしょうか。

介護業界で給与収入をアップしたいと考える方には、資格の取得や夜間・早朝勤務に伴なう手当支給をおすすめしておりますが、他にも英語力を活かして働く方法はあるのでしょうか。

今回はデイサービスをはじめとする介護サービスの中で英語の力を活かす方法や、海外でアテンダントとして働く方法など、介護と英語について詳しくご紹介していきます。

【参照】
令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(厚生労働省)
令和3年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)

目次

介護の現場でクライアントから英語対応を求められる可能性

日本の介護保険制度では、原則として65歳以上になると介護度認定を受けることができます。

そのため介護保険制度を利用してデイサービスやデイケアを利用するクライアントは、65歳以上の方が中心です。

2020年12月の調査によると在留外国人の高齢者は約19.1万人と推計されており、同年の日本人高齢者の人数が3,619万人であることと比較すると、デイサービスを利用する可能性のある在留外国人は、まだまだ少ない状態であるといえます。

今後は外国人高齢者向けの介護サービスの需要が高まる可能性も

2020年12月の調査では約19.1万人と推計されている在留外国人高齢者ですが、約2年前に該当する2019年1月の調査からは約2万人増となっています。

今後も在留外国人の高齢者が増加する傾向が続くようであれば、近い将来に外国人に対するデイサービスやデイケアのニーズが高まる可能性があります。

日本の介護保険制度に基づく資格の取得や研修への参加を通して自分自身の介護スキルを高めておくと、外国人向けの介護サービスの需要が生じてきたときにも即戦力として活躍することができます。

将来英語を活かした介護の仕事ができるよう、今の段階からデイサービスやデイケアなどで経験を積んでおくとよいでしょう。

【参照】在留外国人の高齢化に伴う居住問題(一般財団法人自治体国際化協会)

海外からの研修生に対する英語対応

デイサービスやデイケアなどの介護の現場では、クライアントとしての外国人よりもアテンダントとしての外国人が増加している傾向にあります。

日本は現在超高齢化社会を迎えており、高齢者の人口比率が増え続ける一方で生産人口の減少が進行中です。

そのため日本政府はインドネシア・フィリピン・ベトナムと経済連携協定を結び、2008年以降は外国人介護福祉士候補者の受け入れを行っています。

また介護福祉士候補者以外にも、留学生や技能実習生など、外国人労働者が介護業界で働くケースは今後も増え続けると予測されています。

3カ国から来日する介護福祉士候補者はハイレベルな日本語指導を受けたうえで介護の現場で研修を積むことが一般的ですが、介護に関する用語の細かいニュアンス部分や、介護の現場以外にも日本で生活していく中での困りごとに関する部分など、英語であればより円滑なコミュニケーションが取れる場面も多々あります。

そのためフィリピンやベトナムからの介護福祉士候補者を養成する介護福祉士養成施設や、国家資格受験前に3年間の就労・研修を行うデイサービスなどに代表される介護施設などでは、彼らをフォローする役割として、高い英語力をもつ日本人アテンダントに対して一定の需要が存在します。

介護の経験と英語でのコミュニケーション力を活かしながら、将来のアテンダントである外国人介護福祉士候補者を育成する、非常にやりがいのある仕事を経験することが可能です。

【参照】外国人介護人材の受入れについて(厚生労働省)

海外の介護施設への転職

グローバル化が進む現代では、日本にやってくる外国人の方々が増加傾向にあるのと同時に、日本から海外へと移住する方々も一定数いらっしゃいます。

最期のときまで海外で暮らし続けたいと考える方からの高い需要があるサービスが、日本人のアテンダントによる日本語での介護サービスです。

例えば実際にハワイでは日本人のアテンダントが、ハワイに滞在する要介護状態のクライアントやハワイで生活する日本人高齢者に対して、日本語による移動介助や外出支援を行うサービスが人気を博しています。

今後も日本人の移住者や日系人が多いとされている地域では、日本語による介護サービスの提供需要が高まってくる可能性があります。

海外での介護サービス提供は、現地での学びが必須

日本でも介護保険制度に基づいてデイサービスやデイケアなどの介護サービスが提供されているように、海外の国々でもそれぞれに介護資格や、アテンダントとして勤務するための条件が設定されています。

日本でアテンダントとして勤務している経験は実際の介護現場で役に立つことも多々ありますが、資格や研修などは現地の法律に基づいてしっかりと受講する必要があります。

基本的には現地の公用語や英語を用いて研修がおこなわれますので、海外のデイサービスや介護施設で働きたいと考えている方は、事前にしっかりと現地のルールを確認しておきましょう。

デイサービスで英語を活かせる機会はもっと増えるかも!海外で働く事も夢じゃない!

現在の日本における介護現場で必要とされる英語力についてご紹介いたしました。

デイサービスの中で英語を最も活かして働くことができる可能性のあるポジションは、外国人労働者や経済連携協定によって来日した外国人アテンダントに対するフォローやサポートといえます。

今後も外国人高齢者の増加が見込まれる日本においては、近い将来に英語を使ったデイサービスなどでの勤務や、海外で日本語を用いて介護サービスを提供することなどの需要が高まる可能性があります。

全てのクライアントの意思が尊重され、望んだ介護サービスを受給することのできる社会の実現に向けて、一緒に頑張っていきましょう。

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